ペット保険、加入して「知らなかった」とならないように知っておきたい基礎知識

2021/11/01 00:00

 獣医療は自由診療です。そのため民間の保険会社が、飼い主が負担した獣医療費の一部を保障するペット保険のサービスを提供しています。ペット保険に加入していると、些細な異変に気付いた時などでも通院しやすく、病気の予防や早期発見につながります。たとえ大病や大けがをしたときでも、治療の選択肢が広がるといったメリットがあります。ここでは、ペット保険を選ぶときの優先事項を決め、各社の保障内容を選ぶポイントを考えた選び方を紹介します。

 ペット保険の補償内容の主流は、定率補償型と定額補償型の2つです。定率補償型は、支払った治療費の一部を補償します。治療費の50%か70%の補償が一般的です。人の健康保険をイメージすると分かりやすいでしょう。定額補償型とは、治療費の金額に関係なく、一定の金額が補償されます。

 さらに実費補償型では、契約の範囲内であれば、ペット保険で100%補償が受けられるので、自己負担はありません。損害保険のようなイメージです。

 保険に加入するにはペットが健康体であることや新規加入年齢上限などの条件があることもあります。ペットが若く健康なうちに加入するかどうかを決めることが推奨されています。

 請求方法は、後日請求と窓口請求の2つです。後日請求は、動物病院を利用したときにいったん金額を支払った後で、保険会社に保険金請求書や領収書などの書類を提出し、請求します。一方、窓口請求は、自己負担分だけを動物病院の窓口で支払う方法です。補償される分の立て替えをしないですむのは便利ですね。ただ、窓口清算を利用するには、保険会社と契約している動物病院での受診に限られます。

 ここで注意したいのは、ペット保険はあくまでも、病気やケガをしたときの治療費に対して補償されるという点です。基本的に予防のために行うワクチン接種や健康診断は補償の対象になりません。ペット保険の対象外の一例として、フィラリア予防、妊娠・出産、不妊・去勢手術、歯石除去、ワクチンなどで防げる猫ウイルス性鼻気管炎、健康診断、サプリメントなどが挙げられます。

ペット保険の選び方

 比較検討するときには、割引率、補償金額、支払い限度額などの重要事項に加え、加入時や加入後の条件を確認しましょう。新規契約の上限年齢については分かりやすいですが、加入後の年齢制限を設けている場合もあるので、注意が必要です。犬や猫も晩年になるほど獣医療費がかかります。上限の年齢制限があると、いざペット保険を使おうとしたときに、使えないといったことになりかねないので、契約時に調べておく必要があります。

また、待機期間についても知っておきましょう。契約が成立してすぐ翌日から補償が受けられるわけではありません。待機期間の病気は補償対象とならない場合が多いので注意が必要です。

 見落としがちなのが、「*」などで注釈や補足説明などの重要事項が記載されている場合です。保険の対象外となる病気や条件について書かれていることもあります。加入後に後悔しないためには、「*」の部分も読み飛ばさずにチェックしましょう。

基本的な保険用語

 ペット保険に限らず、そもそも保険の知識に詳しくないという人にとっては、保険用語は難解なもの。基本的な保険用語を下記にまとめました。ペット保険を選ぶ際の参考にしてください。

約款…保険契約の内容を定めた契約書。普通保険約款と特別約款(特約条項)があります
普通保険約款…同一種類の保険契約のすべてに共通な契約内容を定めた契約書
特別約款…普通保険約款の規定内容を補充・変更・限定する契約書。特約ともいう
被保険者…保険の補償を受ける人。保険契約者と同一の人であることもあり、違う人の場合も
保険料…契約者が保険契約に基づいて保険会社に支払う契約金
保険金…約款に基づいて、保険会社が契約者に支払う金銭のこと
免責…契約に定められた事項が生じたときに、保険金の支払いの義務を免れる
免責金額…保険金が支払われない金額。すなわち自己負担額
免責期間…保険金が支払われない期間

文=いぬねこプラス編集部

Instagramキャンペーン フォロー&いいねでプレゼントが当たる!