犬も人も幸せに…保護犬を迎え入れるために知っておきたい4つのこと

2021/11/25 16:00

(画像=GettyImagesより)

 犬と暮らしたいと思ったとき「保護犬」を迎えようと考える人が増えています。ただ、保護犬にはどのようにして出会えるのか、どんな心構えが必要かなど、初めての人には分からないことも。そこで、犬の保護・譲渡活動をしているクチャママにお話を伺いました。

お話を伺った方:クチャママ
2012年より個人で保護犬の里親探しをスタート。愛犬のクチャとアビー、愛猫ミヤコとともに自宅で保護犬を預かり譲渡に向けたケアを行うことで、ぴったりな里親の元へと送り出している。これまでの譲渡実績は、与論島からの保護犬を中心に100頭以上。「cucciamamaブログ

■保護犬にはどうやって出会えるの?

 飼育放棄、劣悪な環境からのレスキューなど、さまざまな経緯で保護された「保護犬」たちは、保健所や動物愛護センター、保護団体や個人の保護主さんの自宅などで、家族との出会いを待っています。

 初めて保護犬を迎えたいと思う人は「保護団体の預かりボランティアや個人の保護主のところから迎えることを考えてみては」とクチャママ。

 「保護犬を家庭で預かり、譲渡に向けたトレーニングやケアをしている保護主は、1頭1頭の特性を知り尽くしています。希望の保護犬が家族に合っているかどうかをしっかり見極め、譲渡後の相談もできるので、初めて犬を飼う人にとっても安心でしょう」

 出会い方は「保護団体が実施している譲渡会に足を運んでみる、個人の保護主のブログなどで興味のある保護犬にお見合いを申し込むなどの方法があります」

 これらの情報を得るには、地元の地名+保護犬などと入力してインターネット検索を。「まずは地元で活動しているところから探してみてください。地元への貢献にもなり、何より譲渡後のケアも受けやすくなります。犬だけでなく、どういう活動実績のある保護団体・保護主かもチェックするといいでしょう」

■犬を飼うのが初めてだけど、里親になれる?

 犬を飼った経験の有無にかかわらず「条件が整っていれば里親になれます」とクチャママ。

 「保護主は、保護犬たちの幸せを願ってお世話をして送り出すので、希望すれば誰にでも譲渡できるわけではありません。里親を希望する家庭の飼育環境、保護犬の特性(性格、年齢、サイズ)などが家族に合っているかを判断し、2週間程度のトライアル期間を経て、この人ならと思った場合のみ譲渡しています」

 このとき、犬の飼育経験がないことは、決して不利になるわけではないそう。「むしろ、初めて犬を飼う人のほうが、こちらからのアドバイスを素直に聞いてくれることも多いので、飼育経験がないから難しいとあきらめる必要はまったくありません」

■家族構成によって適したコ・適さないコってある?

 さまざまな経緯で保護された犬たちは、性格も年齢もサイズも個性豊か。「家族の年齢やライフスタイルによって、適したコ・適さないコというのは当然あります」とクチャママ。どんな家族にどんな保護犬が向いているのか、代表例を教えてもらいました。

□未就学児のいる家庭

 3歳前後の落ち着いた小型の洋犬が向いています。じゃれついて遊び相手にはなってくれるけれど、甘噛みをする年齢ではなく、押し倒される危険性のないサイズが安心。

□シニアのみの家庭

 子犬を飼うと15年前後は一緒に暮らすことになります。老犬の介護をするときの自身の年齢も考えて、6〜7歳の成犬に目を向けるのもお薦めです。また、お散歩のときに引っ張られてもコントロールできるサイズ、力の犬が安心です。

□共働き夫婦のみの家庭

 いたずらの心配が少ない1〜2歳くらいの、人に甘えることを知らないコに目を向けてみては。留守番があることで、犬は慣れるまで落ち着いた時間を過ごすことができます。そのうち人間が帰ってきたらうれしいな、という気もちを持つコに変わってくるでしょう。こういうコは、夜のほうが落ち着いてお散歩できるということもあります。

 また「犬の特性によって、先住犬や兄弟犬などとの多頭飼いのほうがいいケース、1頭で飼ったほうがいいケースと、頭数の向き・不向きもあります」。保護団体の譲渡会や保護主のブログなどで挙げられている条件をよくチェックしましょう。

■トライアルに向けて必要な心構えや準備は?

 保護団体や保護主から正式な譲渡を受ける前に、2週間程度のトライアル期間があります。

 「トライアルが始まるまでに、玄関ドアの手前に脱走防止ゲートを設置して、とにかく脱走させないよう注意してください。慣れないトライアル期間中に脱走させてしまうことが多く、迷子にさせてしまうばかりか、車通りの多い地域では命の危険にもつながります」

 家庭になじむまで、焦る必要はありませんが、「可能であれば一緒の空間で寝るのがおすすめ。寝るという無防備な時間をともに過ごすことで絆が深まっていきます。例えば犬の寝場所がリビングなら、そこに布団を持ってきて寝ていると、そのうち自分の布団の上に乗ってきたりすることもあります」

 心を開いてもらうことも大事ですが「リーダーシップをとることも大事。必要なときにきちんとコマンド(命令)を聞けるコにするため、赤ちゃん言葉で接するのはやめましょう」

 脱走防止グッズのほかに準備するものは、フード、散歩用品、トイレ用品などさまざま。保護主の家庭で使っていたものをそのまま引き継がせてもらえることもあります。

 モノを用意する以上に大切なのが「今あるモノを片付けること。犬の手や口が届くところにモノが散乱していると、誤飲誤食を招きます。トライアル開始までに整理整頓をし、譲渡後もその状態をキープすることが大事です」

■少しずつ絆を深めて犬も人も幸せに

 さまざまな経緯で保護された犬たちは、最初は心を開けないことも。「でも、そこから少しずつ家族としての絆を深め、犬も人も幸せになっていくことができます。この喜びは、体験した人にしか分からないものです」。そのため、受け入れにはさまざまな条件もありますが、これらをクリアして保護犬を飼うことにトライしてみてはいかがでしょうか。

(文・構成=前川ミチコ/エディター・フリーライター)

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