犬は平均89の言葉を覚えられる、カナダの大学が研究結果を発表

2022/01/05 20:00

(画像はイメージ/pixabayより)

 「マテ」や「オスワリ」といった飼い主さんが発するコマンドに従う犬たち。犬は喋れないけれども、私の言っていることを理解しているに違いないと思う飼い主さんも多いことでしょう。犬は人間でいうと1歳程度の語彙習得力を持つともいわれています。カナダのダルハウジー大学の研究結果によると、犬は平均89の言葉を覚えることができるということが分かりました。研究者のひとりであるジャック博士は、犬の語彙の範囲を理解することで、どの犬種が職業犬として向いているかを示す指標になると指摘しています。

 調査は、世界中からSNSを通じて募集し集めた165匹の犬の飼い主さんを対象に実施しました。犬が言葉を覚えていると判断する基準は、単語や短いフレーズとった172種類の言葉を犬にかけ、それぞれの言葉について一貫した行動を犬が取れるかどうかを飼い主さんが見極めます。回答者である飼い主さんは、0~5の6段階で評価することが求められます。カテゴリーは、人や動物の名前、コマンド、おもちゃ、食べ物、生活、場所、ルーティーンの7つです。

牧畜犬や愛玩犬が多くの言葉を取得

 犬が覚えていると考えられる言葉の数については、15~215と調査対象においてかなりの幅があることが分かりました。犬種では、牧畜・牧羊犬としてハーディング・ドッグに属するジャーマン・シェパード、ボーダー・コリーなどや愛玩犬として知られるトイ・ドッググループのチワワやトイプードルが多くの言葉を覚えている傾向が見られます。警察犬や救助犬などの職業犬は訓練を受けていない犬の1.5倍の数の言葉を覚えていました。ただ、飼い主の属性や犬の年齢と覚えていた言葉の数との関連性は見出すことはできませんでした。

 レポートでは、科学者たちが何十年もの間、犬の語彙の範囲を正確に把握しようとしてきた点が指摘されており、1928年のジャーマン・シェパードが68のコマンドやフレーズ、単語に応答できることを示した研究まで遡って提示しています。さらに最近では、ボーダー・コリーが200を超える名前を覚えたことや1000を超えるおもちゃのアイテムの名前を覚えたボーダー・コリーも紹介しています。

 今後追加の研究が必要な分野ではあるものの、ジャック博士は、「どの犬種が介助犬になるための訓練に成功する可能性が高いかを示す早期の指標になることを望んでいる」と述べています。

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文=いぬねこプラス編集部

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