多田あさみの「にゃんことの暮らしQ&A」第1回 初めて猫ちゃんを迎え入れるための準備 前編

2022/01/06 18:00

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GettyImagesより

 タレントで「猫カフェ mfmf(モフモフ)」の動物取扱責任者である多田あさみさん。そんな多田さんが読者からの猫ちゃんに関する質問のお答えする連載「にゃんことの暮らしQ&A」がスタートしました。

 第1回目のご相談は「猫ちゃんを家に迎え入れたいのですが、初めてなので何もわからず不安です。迎える前の準備など基本的なことを教えて欲しい」というもの。猫ちゃんをお迎えするとは大切な命を預かるということであり、不安なのは当たり前。多くの猫ちゃんと飼い主さんとを繋げてきた多田さんに、前編・後編に分けてたっぷり回答していただきました!

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猫ちゃんはどんな家庭でもお迎えできる?

 まず前提として、ペットを飼える環境が整っていれば、どんなご家庭でも迎え入れることはできるのでしょうか。多田さんによると、一緒に暮らすための工夫やそのご家庭にあった月齢の猫ちゃんを選ぶことが重要だと言います。

「たとえば単身者さんであったら、自分が何かあった時に猫ちゃんのことを託す人を決めておいてください。未就学児のいるご家庭であれば、猫ちゃんと子どものスペースを分け、お互いが気持ちよく生活できるように工夫することが大切です。

そのご家庭にあった月齢のねこちゃんをお迎えすることも重要です。たとえば高齢者や小さいお子さんのいる家庭の場合、子猫ちゃんを迎えるとなるとどうしても飼い主さんの負担が大きくなり、最悪、猫ちゃんのお世話ができなくなってしまうパターンもあります。

猫ちゃんの寿命は長くて20年ほどで、晩年はどの猫ちゃんも動物病院に通う回数が増えますよね。もし65歳の方が子猫ちゃんを飼った場合、80歳を過ぎても5kgほどの猫ちゃんを持って病院に通うことができるのか。飼い主さんの年齢と猫ちゃんの年齢を加味し、高齢者家庭は大人の猫ちゃんを迎え入れることをおすすめします。家を留守にすることの多い単身者さんの場合は、12時間くらいのお留守番ができる生後半年以上の子が適しているでしょう。

また残念ながら、猫ちゃんを迎え入れることは難しいご家庭もあります。実際に、老老介護のお家で介護の気晴らしに猫ちゃんをお迎えしたいと相談がありましたが、転倒などの事故が発生し要介護レベルが上がったり施設に入ったりなど、生活環境がちょっとしたきっかけで大きく変わる可能性があるためお断りしました。猫ちゃんのためを思って、その子を幸せにしたいという志望理由ではなく、あくまで家族の気晴らしという利己的な理由もお断りした要因のひとつです。

また、直近に結婚予定のあるカップルであれば問題ないのですが、結婚予定のない同棲カップルの場合いつ別れ一人暮らしになるかわかりません。ペット可の物件は不可の物件よりも家賃が高いケースが多く、一人でもその値段を払い続けられるのかなど、生活環境を同棲時と同じ水準に維持できるのかが不透明だからです。

このような予期せぬところで環境が変わる可能性のある家庭は、現状では猫ちゃんを迎え入れることは控えた方がよいと私は考えています」

 多頭で猫ちゃんを飼っているご家庭も少なくありません。初めて猫ちゃんと生活する飼い主さんでも複数匹お迎えして問題ないと多田さんは話します。

「初めて猫ちゃんと生活する方でも、多頭でお迎えすることはできます。多頭で飼うことには複数のメリットがあります。社会性が育まれ、慣れない環境でも兄弟そろって暮らせることで猫ちゃんの精神面が安定します。また、お互いに咬み合うことで“咬まれると痛い”ということを学び、咬み癖もつきにくくなることが多い。その他、猫ちゃん同士の体調を比較できることも利点です。たとえば、片方の子がご飯を食べず体調不良を疑うことがあったとき、もう片方の子と体温や呼吸の数を比べることで異常かどうかの判断がつきやすくなります。

デメリットとしては、当然ですが一頭よりもお金がかかること。ご飯やトイレの砂、病院の費用などなんでも2倍のお金が必要になります」

猫ちゃんをお迎えするときに必要な費用とは?

 では実際に、猫ちゃんを迎え入れるときに用意しておくべき最低限の費用はいくらなのでしょうか。

「拾った猫ちゃんの場合、状態が悪いことを加味すると安全に一緒に暮らせるようにするには4万~5万円は必要です。医療費としては、エイズと白血病などの(血液)検査ノミ、ダニなど(外部の)寄生虫の駆除、お腹の中の寄生虫の駆除、風邪を治すための動物病院代が主です。これらの初期費用とは別途、風邪で動物病院を受診すると1回1万円ほど(初診料、診察代、検査費、処置料、処方箋)かかると考えておいた方がよいでしょう。

その他、月々のご飯代、トイレの砂、動物病院代としては、1万5千~2万円ほど確保しておくと安心だと思います」
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 後編では、準備すべきグッズやペット保険の加入の有無、猫ちゃんを迎えるにあたっての心構えについてお答えいただきます。

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猫カフェmfmf(モフモフ)

常駐スタッフ猫ちゃんと里親募集中の保護猫ちゃんが走り回る猫カフェ。
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(文=いぬねこプラス編集部)

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(プロフィール) 多田 あさみ(ただ あさみ) 2008年よりタレントとして活動。2016年に「猫カフェmfmf」オープンし、猫の保護活動に従事。年間80頭等前後の猫の保護・譲渡。多頭崩壊レスキューや、離島の野良猫問題などにも取り組む。 趣味は食べ歩き、特技は釣り、魚を捌くこと。

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