獣医師奥田先生が解説、咬まれない飼い主になるには?

2022/01/17 15:00

(画像はイメージ/pixabayより)

 子犬の咬みつきに悩む飼い主さんは、「子犬が咬まなくなってほしい」と願っていると思います。しかしながら、子犬が咬まないようにしつけるのはとても難しいことです。なぜなならば、子犬が咬むことは、子犬らしい自然な行動であり、子犬が「咬みたい」と思う欲求はなくならないからです。

 大切なことは、咬ませないことではなく、適切な物を十分に咬ませて、不適切な物を咬ませないようにすることです。

 飼い主の手や服、スリッパ、耳、髪の毛は、咬まれたくない不適切な物ですね。飼い主を咬まないようにするためにはどうしたらいいでしょうか?ポイントは、「子犬に咬みつきをやめさせる」のではなく、「飼い主自身が、咬まれない飼い主になる」ことです。

咬まれない飼い主になる4カ条

①フードを持つ

 フードをフードボウルに入れて、一気に与えてしまうと30秒ほどで食べきってしまうこともあります。暇になった子犬は飼い主の関心を引こうと咬みついてきます。

 そこで、フードをフードボウルから与えずに、手に持って少しずつ与えるようにしてみましょう。手にフードを持っている間は、子犬がフードに集中して、咬む行動が少なくなるはずです。

②椅子生活にする

 飼い主が寝転がっていると、子犬は決まって、耳や髪の毛に咬みついてきます。顔に飛びかかってくることも多いでしょう。飼い主の目線や手が低い位置にあるとそれだけ咬まれるリスクは高まります。

 そういう飼い主さんは、まずは椅子生活にしてみましょう。椅子に座っていれば、顔や手が子犬から遠くなり、子犬を興奮させにくくなります。

③ハウスリードをつける

 子犬が家じゅう走り回って興奮して咬むということもよくあります。そもそも子犬は興奮しやすい生き物。家じゅうを走り回れるような環境にしていたら興奮するに決まっています。

 家の中でもハウスリードをつけることで子犬の行動範囲を制限すれば、子犬の興奮を抑えることができ、咬まれるリスクを下げることができるでしょう。

④顔を正面からワシャワシャなでない

 子犬を褒める時に「お利口だねー」と言いながら、手でワシャワシャと顔付近を勢いよくなでていませんか?顔回りをワシャワシャされることは子犬に取っては非常に刺激が強く不快なことも。手を出すと咬みついてくる原因の多くがこれです。

 子犬の正面から手を出して、顔を無理やりワシャワシャなでるのを止めてみましょう。それだけで子犬は落ち着き、興奮性も咬みつきもぐっと減ることでしょう。

咬まれる原因は飼い主にあり

 子犬の咬みつきには原因があります。その原因を作っているのは多くが飼い主さんです。飼い主さんが子犬を刺激して興奮させてしまい、結果として咬まれて困っているという状態ですね。子犬の行動を直そうとするのではなく、飼い主自身の行動に目を向け、咬まれない飼い主になることが大切です。

文=奥田順之

(プロフィール)

ぎふ動物行動クリニック院長。獣医行動診療科認定医・日本獣医行動研究会広報委員会委員長・鹿児島大学講師(動物行動学)。2012年NPO法人「人と動物の共生センター」設立し、犬のしつけ教室ONELife/ぎふ動物行動クリニックを開設。しつけ教室では、犬と人が共に育み合う=“共育”をモットーに、レッスンを実施している。

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