アニコムと神戸市、動物愛護推進などの事業連携協定を締結 災害時も連携

2022/01/24 19:00

神戸市の久元喜造市長(写真左)とアニコムの小森伸昭代表取締役(写真右)

 環境省によると2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)に全国の保健所で殺処分された犬と猫は2万3764匹でした。1974年度以降で最少の数ではあるものの、保健所が引き取り殺処分を行った殺処分率は自治体によって差があるなど、まだまだ改善すべき点が多くあることも事実です。そんななか、アニコム損保を傘下に持つアニコムホールディングスは1月13日、神戸市と「動物愛護推進等の事業に関する事業連携協定」を締結しました。

 締結による具体的な取り組みとしては、神戸市が譲渡しようとする犬や猫をアニコムグループが運営する里親募集サイト「hugU(ハグー)に掲載します。また、大規模災害時にはどうぶつ診療車や獣医師を派遣することが決まっています。

 譲渡促進や災害時の動物支援の他にも、アニコムグループが持つ動物医療や飼育管理などの技術や研究のノウハウを活用し、犬や猫の健康管理や動物の適正な取扱いに関する普及啓発活動につなげる意向です。人と動物双方の健康に関する事業の連携も図ります。

アニコムは20年に三重県と今治市と連携

 アニコムホールディングスはこれまで、2020年2月に三重県、2020年3月には今治市と動物愛護推進や動物災害支援に関わる連携協定を結んでおり、神戸市は3例目。

 動物福祉に対する取り組みは、里親募集サイト「ハグー」の運営をはじめ、2013年から毎年、動物愛護週間である9月20~26日に埼玉県と協力してノベルティ配布の活動を行うなど、動物愛護週間の啓発を行っています。

 ペットの災害支援に対する取り組みとしては、2016年4月に発生した熊本地震で獣医師や診療車を派遣し、医薬品、フード、ケージなど支援物資の運搬をはじめ、現地では獣医師が被災動物の診療や健康相談などを行いました。一般社団法人ジャパンケネルクラブが実施している災害救助犬育成活動にも協賛しています。

21年10月こうべ動物共生センター開設

 一方、神戸市は、2021年10月に動物愛護拠点として「こうべ動物共生センター」を開設しました。保護動物の譲渡だけでなく、人と動物とのかかわりに関する啓発・学習の場としても活用されています。犬のしつけ方教室や子ども向けの獣医師体験や実際の犬と接する「犬とともだちになろう」といった動物とのかかわり合いを学べるプログラムを通じ、市民の心身の健康や豊かさを育む環境づくりを進めています。

 さらに遡ること2017年4月、神戸市は他の自治体に先駆け、人と猫が共生する社会の実現を目指す「神戸市人と猫との共生に関する条例」を施行しています。施行に当たっては、阪神・淡路大震災による被災ペットやボランティアの経験が影響しています。内閣府防災情報によると、同震災における被災動物は犬で4300匹、猫で5000匹と推定されており、多くの避難所でペットが飼われたことで一部ではトラブルになったとの報告があります。災害時のペットへの課題が浮き彫りになったのです。

 動物福祉への分野は、欧米と比べると改善すべき点が多いと指摘される日本。また頻繁に災害が発生する日本において、大規模災害時における動物救護体制の整備も欠かせません。ペット関連産業と行政が連携して、動物愛護推進などに取り組む動きは今後も広がりを見せるでしょうか。

文=いぬねこプラス編集部

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