地球温暖化でペットの健康被害が増加する恐れ

2022/02/16 12:00

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 気候変動の影響でペットの熱中症が増加する可能性が高いとの研究結果が発表されました。

 英ノッティンガム・トレント大学(NTU)の研究者らが、英国の獣医ネットワークから得られた5年分のデータを調べたところ、熱中症の症例が、犬、猫、モルモット、ウサギ、フェレットにあることがわかりました。学術誌「Open Veterinary Journal」に掲載された論文では、気候変動による温暖化に伴い、熱中症の患者数は今後も増加する可能性があると指摘しています。

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 犬の熱中症の症例が最も多く146件ありました。特にブルドッグのように顔が平らな「短頭種」の犬種が危険であることがわかりました。また、16匹の猫、8匹のモルモット、3匹のウサギ、1匹のフェレットも熱中症で受診していることがわかったと言います。

 調査対象となったすべての動物に最も多く見られた症状は、異常な呼吸、無気力、虚脱、下痢などの胃腸障害でした。

 NTUのアン・カーター博士は、「ペットの熱中症は、暑い車の中にいる犬だけに関係しているという誤解がある」と指摘、犬だけでなく、ウサギ、フェレット、モルモットなどの小動物の飼い主は、ペットの飼育環境を見直し、暖かい季節にペットが涼しく過ごせるような対策を講じる必要があるとしています。

 猫は暖かい場所で寝ようとするため、温室や小屋の中に閉じ込められ熱中症になる傾向があり、ウサギ、モルモット、フェレットなどのケージに入れられたペットは、日陰や涼しい場所へ自ら逃れることができない場合に熱中症を発症するとのことです。

 また、論文執筆者の一人であるエミリー・ホール医師は、「熱中症はすべてのペットに影響を及ぼす可能性があり、地球の気温が上昇するにつれて、より一般的になると思われる」と、地球温暖化がペットの健康に及ぼす悪影響を懸念しています。

 ペットを動物病院に連れていく際にはケージの中に保冷剤などを一緒に入れておくことで、熱中症になるリスクを減らすことができます。またウサギ、モルモット、フェレット、ハムスターのケージは直射日光の当たらないところに置くことも重要です。猫は比較的暑さに強い生き物ですが、それでも熱中症になる恐れはありますので、室温は28度を超えない程度に調整しましょう。一方、犬は高温多湿に弱く、冬でも湿度60%以上室温28度以上で熱中症の恐れがありますので、室温はこまめにチェックした方が良いでしょう。温暖化が進むに連れ、ペットが快適に過ごせる温度管理もよりシビアになっていきそうです。

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