猫に「飼い主の匂い“だけ”」ではストレスが増す?

2022/02/23 10:00

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GettyImages

 不安を抱えたネコは、大好きな人の匂いがする物では癒されないことが分かりました。むしろ飼い主の匂いがするものがあることで飼い主がいない時に、ネコはさらに寂しさを感じてしまう可能性があります。学術誌「Applied Animal Behaviour Science」に掲載された研究を米誌「NewScientist」(2021年9月16日付)が報じました。

Cats refuse to snuggle with objects that smell like their owners(NewScientist)

The effect of owner presence and scent on stress resilience in cats

 ペットとして飼われているほとんどのネコは、飼い主と強い絆で結ばれており、飼い主の存在を心強く感じているようです。しかし、人間の赤ちゃんとは異なり、ネコは匂いだけでは絆を結んだ人の代用品としては認めないと、米ユニティ大学のクリスティーン・ビタール氏は話します。

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「嗅覚はネコにとって重要な感覚であり、社会的行動にも関係していますが、私たちの研究では、(飼い主の匂いのする物は)ストレスを軽減する効果はありませんでした。一部のネコにとっては、匂いが問題を悪化させる可能性さえあります。」(ビタール氏)

 飼い主はペットホテルなどにネコを預ける際に、ネコが飼い主を感じられるよう服の一部を預けるように言われることがありますが、ビタール氏らは、この方法が実際に役立つかどうかを確かめるため、42人のネコの飼い主に、ネコと自分の匂いのするもの(靴、靴下、ナイトシャツ、毛布など)を慣れない試験室に連れてきてもらいました。

 飼い主はそれぞれ、床に置かれた幅2メートルの円の中央に座り、ネコは部屋中を自由に歩き回りました。その後、飼い主はネコをおいて部屋を去りました。それから、2つのパターンに分けて実験が行われました。1つは、飼い主が戻ってきてから再び一人にされ、最後に飼い主の匂いがついた衣服が残された場合、もう1つは、最初に匂いのついた衣服が置かれ、ネコが一定期間一人になった後に飼い主が戻ってきた場合です。

 ビタール氏によると、ほとんどのネコは飼い主が部屋に戻ってきたときには飼い主に擦り寄り、飼い主がいないときには神経質に鳴くなど、飼い主との絆を示す兆候を示したという。いずれの場合でも、ネコたちは飼い主の匂いのついたものに注意を払わず、それがないときに比べて落ち着いた行動をとることはなかったそうです。

 それどころか、38%のネコは部屋の中に飼い主の匂いのついたものがあるときのほうが、ないときよりも声を出していたと言います。また、多くのネコは飼い主の代わりに匂いのついたものを与えられても、飼い主の存在を感じてはいないようだったそうです。

 これは、ネコが飼い主とのより一般的な社会的交流を必要としているためではないかと考えられるとビタール氏は話しています。飼い主の温かさ、触れ合い、発声なども重要な要素になるとのことです。

 今回の調査結果から、長期不在で猫をどこかに預ける場合、自分の匂いをつけたものを置いておかない方が多くのネコのためになると考えられます。特にネコが新しい環境やストレスのかかる状況にいる場合、可能な限りそばにいてあげるようにするのが最善のようです。

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文=いぬねこプラス編集部

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