「弱い法律が犬たちを失望させた」保護動物の殺処分が違法に=オーストラリア

2022/02/23 18:00

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GettyImages

 動物愛護に手厚いイメージのあるオーストラリアですが、昨年8月に公的機関に収容されていた犬が15頭射殺される事件がありました。この痛ましい事件の再発防止のため、今月ニューサウスウェールズ州議会は保護動物の殺処分を違法とする法案を可決しました。

Rescue dogs shot dead by NSW council due to COVID-19 restrictions(The Sydney Morning Herald)

NSW bans killing of shelter animals(New Castle Herald)

 昨年、少なくとも2つのアニマルシェルターが犬の引き取りを申し出ていたにもかかわらず、当局はボランティアスタッフが犬を引き取りに来ることで新型コロナウイルスが拡散することを恐れて、10頭の子犬を含む15頭の犬を射殺した事件がありました。成犬5頭は8月初旬から収容されており、うち1頭がその後10匹の子犬を産んでいたそうです。

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 感染リスクから従業員やコミュニティを守るためにこのような措置を取ったと弁解し、法的にも問題がなかったとされましたが、この痛ましい事件の再発を防止するため、アニマル・ジャスティス党のエマ・ハースト議員らが動物愛護法の改正法案を議会に提出し、今月可決されました。

「犬の射殺は決して起こってはならないことでした。これで二度と起こらないと確信できます。この残虐行為は避けることができたはずなのに、私たちの弱い法律がこの犬たちを失望させたのです。」(ハースト議員)

 同法は収容施設から少なくとも2カ所のレスキュー団体への保護動物の通達を義務化し、深刻な怪我や病気などで生存させることが残酷であると獣医が判断した場合を除き、収容施設が保護動物を殺処分することを禁じています。

 ハースト議員は、この法律は保護動物収容施設がレスキュー団体と協力するための「命令」だと述べています。ニューサウスウェールズ州の1つの収容施設では、犬150頭、猫130頭以上を安楽死させ、レスキュー団体には40頭しか譲渡していなかったことが過去明らかになっているなど、同州では収容施設とレスキュー団体の連携が弱いことが問題視されてきました。

日本でも官民一体の取り組み強化を

 環境省の統計資料によると、令和2年度に全国で殺処分された犬猫は23,764頭。特に猫は19,705頭と4,059頭の犬の5倍近くが殺処分されています。さらに殺処分された猫のうち7割近い13,030頭は幼齢個体でした。

 各都道府県の動物愛護センターが殺処分ゼロを目指して多くの取り組みをしていますが、動物愛護センターが保護団体に収容した動物の通知をしなければならないという規則はありません。東京都動物愛護相談センターなどでは、殺処分数を減らすための努力の一環として、独自に登録団体への譲渡を行なっていますが、より広く保護動物を守るための官民一体の取り組みが全国に広がることが望まれます。

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文=いぬねこプラス編集部

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