ネコは環境に悪い? 放し飼い全面禁止の動き=豪

2022/02/25 10:00

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GettyImages

 西オーストラリア州で、野生動物保護のためにネコの屋外での放し飼いが禁止される可能性が浮上しました。放し飼いのネコに狩られる野生動物の多さがその原因です。

Are cats bad for the environment? This Australian town seems to think so(euronews)

「残念ながら、このフクロウは関節部を骨折しているようなので、回復の可能性は低いでしょう」

 そう話すのは獣医のマレン・ビーストンさんです。西オーストラリアの野生動物園には、毎年何百もの猫に襲われた野生動物が運ばれてきますが、そのうち助かるのはわずか半分だそうです。

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 オーストラリア全体では、家庭で飼われているネコが、オーストラリア固有の鳥類、爬虫類、哺乳類を年間約2億3千万匹を殺していると試算されています。西オーストラリア州のフリーマントル市では森林地帯へのネコの侵入が禁止されていますが、アディン・ラング議員は、猫がリード付きで散歩している場合を除き、「(同市の)全ての道路と歩道への侵入を禁止する」とさらなる法律の強化を望んでいるとのことです。

日本の場合

 ネコを屋外で飼育する人は以前に比べ減りましたが、それでも平成 29年調査における東京都都市計画区域内における屋外猫中の屋外飼育猫は約2万頭との推計結果が出ています。

 環境省は、「(ノネコは)アマミノクロウサギやヤンバルクイナなど特定の地域にしか生息していない希少な哺乳類や鳥類などを食べてしまう」と注意喚起をしており、日本でも野生動物への影響が懸念されていますが、外に出られるネコにおいて最も懸念されるのは、ネコ自身が交通事故に遭う危険性や、感染症にかかるリスク、ご近所トラブルを引き起こす可能性、虐待に遭う恐れがあり、各所で完全室内飼いが推奨されています。東京動物愛護相談センターも「猫を屋外で放し飼いするのが本来の飼い方だと考える人もいるようですが、屋外にひそむ危険を猫に教育することはできません。猫を危険から守るのは飼い主の責任です… 不妊去勢手術を行い、十分な餌と上下運動ができる場所、そして飼い主の愛情があれば、室内でもストレスをためずに健康に飼うことが可能です」と、完全室内飼いがネコのためにもなると強調しています。

環境省は「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」により3000匹の猫の駆除を行っているが、公益財団法人どうぶつ基金の佐上邦久理事長(61)は「奄美でノネコ駆除がなかった2003年から2015年の12年間に、アマミノクロウサギの推定生息数は4800頭(2003年)から約4万頭(2015年)まで激増」と話しており、昨年「NPO法人ゴールゼロ」とともにノネコの殺処分中止を求める要請書を提出している。(参考:「世界遺産 奄美・沖縄「ネコ3000匹駆除殺処分計画」中止要請書を小泉環境相、IUCNに提出 どうぶつ基金、ゴールゼロ(どうぶつ基金)」)

 実際に、一般社団法人ペットフード協会が公表している「2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果」によると、「家の外に出ない猫」の平均寿命は16.22歳、「家の外に出る猫」の平均寿命は13.75歳と、外に出られる猫は平均して3年近く寿命を縮めていたことが分かっています。

 人間のためにもネコのためにも、日本でもネコの完全室内飼いを義務付ける法律ができると良いですね。

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文=いぬねこプラス編集部

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