野犬は人間社会に何を思うのか? ほぼ全編犬目線『ストレイ 犬が見た世界』

2022/03/11 12:00

野犬は人間社会に何を思うのか? ほぼ全編犬目線『ストレイ 犬が見た世界』の画像1

© 2020 THIS WAS ARGOS, LLC

 私たちが暮らす日本では、野犬を見ることはほとんどなくなりました。一方で、野犬たちが人間と同じように自由に歩き回る街があります。トルコのイスタンブールです。

 トルコ当局は1909年から野犬の駆除に乗り出しましたが、市民らの抗議活動が広がったことにより、2004年から、健康な犬に対する殺処分・捕獲が違法という希少な国となったのです。

 トルコでは、犬や猫を人間にとっての「もの」や「商品」として扱うのではなく、私たちと同様に権利がある生き物として共存する社会を目指しています。

 そんな野犬たちの姿を追ったドキュメンタリー映画『ストレイ 犬が見た世界』。ほぼ全編に渡り犬の視線と同じローアングルから撮影されており、新鮮で驚きのある映像が続きます。

野犬は人間社会に何を思うのか? ほぼ全編犬目線『ストレイ 犬が見た世界』の画像2

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 劇中に登場する3匹の野犬は、それぞれとても個性的。「ゼイティン」はいつも単独行動をしており、道路の真ん中にどしんと座って、背後から車が迫ってきても動じることはありません。他方、「ナザール」は人懐っこく、街の人々に挨拶をして歩きます。そして、まだまだ知らないことばかりの愛らしい子犬「カルタル」。

 この映画のテーマは「犬から見た人間社会」。イスタンブールの街中で行われるウィメンズマーチの中を、夫婦について語り合う人々の隣を、SNSのことで喧嘩をしているカップルの横を、シリア難民として路上で寝る少年たちの生活を……野犬たちは昼寝をしたり、時に排せつをしたり、ゴミに出された骨をかじったりしながら通り過ぎていきます。

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 ゼイティン、ナザール、カルタルは、人間社会に何を思うのでしょうか。羨望? 蔑み? 敬愛? むしろ彼らは何も感じていない、ただひたすらに自分の命を歩んでいるだけなのかもしれません。

 『ストレイ 犬が見た世界』。そこには、気高く生きる野犬たちの姿がありました。

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『ストレイ 犬が見た世界』
2022月3月18日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:エリザベス・ロー
出演:ゼイティン、ナザール、カルタル(犬たち)ほか
2020年/アメリカ / トルコ語・英語 / 72分 / ビスタ / カラー / PG-12
日本語字幕:岩辺いずみ
原題:STRAY
配給:トランスフォーマー
公式サイト:https://transformer.co.jp/m/stray/

文=いぬねこプラス編集部

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