八王子署「迷い猫遺棄事件」に続報 DNA鑑定の結果が判明

2022/03/18 19:00

八王子署「迷い猫遺棄事件」に続報 DNA鑑定で遺体は迷い猫と判明の画像1

GettyImages

 警視庁八王子署が拾得物として預かった迷い猫・ノイちゃんを、保健所などの関係機関に連絡しないまま2月1日に河川敷に放した事件の続報です。同16日に河原でノイちゃんらしき遺体が発見されていましたが、動物保護グループ「はちねこ」によると、今月15日にDNA鑑定の結果ノイちゃんであることが確定し、16日に八王子警察署長が飼い主さんに謝罪をしました。河原には4月1日までノイちゃんの献花台が設けられています。

 しかし、事件はこれで終わったわけではありません。なんと、ノイちゃんの遺体は捜索ボランティアが何度も足を運んでいた獣道の真ん中に、「何かで切断されたような猫の一部」として、「まるでわざと見せるために」置かれていたというのです。野生動物によるものである可能性もありますが、警察は事件性を考慮し、今も捜査を継続していると言います。

 また八王子署によると、関係職員の処遇も並行して検討されているとのことです。この職員が問われる可能性のある罪については、以前弁護士の見解を紹介しました。器物損壊罪や遺失物法違反がそれにあたります。

 しかし、そもそもなぜ職員はノイちゃんを河原に放置したのでしょうか? 同署に本日再度問い合わせたところ、「河原なら車に轢かれることもないから」というのが理由とのことでした。

 すると、ノイちゃんが交通量の多い道路脇で発見されたことから、そのような行動を取ったとしたならば“善意”からの行為と見ることもできます。また、一部で言われているように、もしノイちゃんを「かわいそうな捨て猫」で、「保健所で殺処分されてしまうのは忍びない」と、この職員が思っていたならば、保健所に連絡しないというルール違反も“英雄的”と称えられるかもしれません。しかし、このような悲惨な結果を招いてしまったわけですから、結果的に“愚かな行為”だったと言わざるを得ません。

 河原に放置したことで虐待に遭うかもしれない、冬の寒さで凍えてしまうかもしれないという想像力の欠如もありますし、捨て猫であるという思い込みや、保健所で捨て猫が殺処分されるという思い込みも知識不足からの誤解と言えるでしょう。八王子市保健所によると、同市には猫を保護する施設も殺処分のための施設もなく、警察署が遺棄と判断した猫は東京都動物愛護相談センターに引き渡されるといいます。そこで殺処分される可能性はゼロではありませんが、東京都は殺処分ゼロを目指し、致命的な怪我や病気など特別な理由がない限り殺処分はしないとしています。河原に放置という絶望的な選択よりも、保健所の手に委ねる方が賢明だったのではないでしょうか。もちろん、以上の想定が正しかった場合も、職員の無知を責めるというよりは、そうしたシステムを周知していなかった警察署の方を責めるべきでしょう。

 ただ、完全室内飼いの猫なら、そもそもこのような事件に巻き込まれることはなかったでしょう。高齢の飼い主さんの中には猫を外に出られるようにしている方も多いようですが、交通事故に遭う危険、虐待される危険、ほかの猫と喧嘩をして負傷する危険、伝染性の病気にかかる危険など、外に出ることで猫の幸福が著しく損なわれるリスクがあります。これを機に猫の完全室内飼いが広まることを願いたいです。

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文=いぬねこプラス編集部

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