松本穂香主演『ペットにドはまりして、会社辞めました』 ペット依存は愛情? それとも押し付け?

2022/03/23 18:30

松本穂香主演『ペットにドはまりして、会社辞めました』 ペット依存は愛情? それとも押し付け?の画像1

NHKドラマのTwitter(@nhk_dramas)より

 ペットのわんちゃんとずっと一緒にいるために仕事を辞める……そんな飼い主の女性の葛藤と成長を描いた特別ドラマ『ペットにドはまりして、会社辞めました』(NHK)が3月22日に放送されました。

 携帯ショップで契約社員として働く里美(松本穂香)は、失恋を機にペットショップで一目ぼれした柴犬・クウちゃんと一緒に暮らすことに。しかし、次第にクウちゃんは里美がそばにいないと鳴き続けるようになり、仕事に行くのもままならなくなった里美は仕事を辞めることを決意します。

 クウちゃんと一緒に居てあげられるようになったのはいいものの、クウちゃんが心配なあまり短時間しか働けないことで生活は困窮。そんなときにクウちゃんがお腹を壊し動物病院に行くと、獣医師(古舘寛治)からクウちゃんの「分離不安症」と里美の「ペット依存」を指摘されます。

獣医師が里美に伝えたこととは

 コロナ禍により在宅ワークといったお家にいる時間が増え、飼い主さんとペットが一緒に過ごす時間は長くなりました。新たにペットを飼い始める人も増えました。一方、『ペットにドはまりして、会社辞めました』の里美とクウちゃんのように、ペットの分離不安症、それに伴った飼い主さんのペット依存が問題として浮かび上がっています。

 では、こうした状態に陥ってしまったとき、飼い主さんはどうすればよいのでしょうか。

 本作の中で獣医師は里美に、次のようなアドバイスをします。まず、クウちゃんが里美以外に夢中になれるものをつくる。そして、クウちゃんに里美の生活を分からせること。そこから里美は、クウちゃんをお散歩に連れていきお友達と交流させたり、新しいおもちゃを与えます。お留守番をさせるときの外出のタイミングはクウちゃんがおもちゃ遊びで夢中になっているなどクウちゃんの気が里美からそれているとき。里美はその瞬間、空気のように家を出ていくといった方法を実践します。次第にクウちゃんの分離不安症は改善されていったのです。

ペットにとっての本当の幸せとは

 今までクウちゃんが里美にべったりだった分、里美は自分が帰宅してもクウちゃんがおもちゃに夢中だったり、自分以外の人間に懐く姿に一抹の寂しさを覚えます。しかし、元気に遊ぶクウちゃんをそばで見守ることに。

 そこで思い起こされるのが、クウちゃんとの生活に行き詰まり「クウちゃんは自分と一緒にいても幸せじゃない」との理由から、里美が姉・裕美(生越千晴)にクウちゃんを引き取って欲しいと電話をするシーン。

 裕美は、依存しているかどうかは関係なく「里美は相手のことを考えているようで考えていない」と叱咤。里美もそうした自分を自覚しており、「相手に何かをしてあげていないと、自分の存在価値がないようで不安」との本音を吐露したのでした。

 「ずっとこの子と一緒にいてあげたい」。飼い主さんであれば誰しも一度は思ったことがあるでしょうし、それは飼い主さんにとっては愛情でもあります。しかし、ペットは私たちと同じ感情や意志がある生き物。「ペットのため」と一方的に何かを押し付けることが、その子にとっての幸せとは限らないのです。

 ペットとの関係に悩む飼い主さんは是非一度、『ペットにドはまりして、会社辞めました』を観てみてはいかがでしょうか。

★『ペットにドはまりして、会社辞めました』はNHKオンデマンドで配信中

文=いぬねこプラス編集部

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