保護猫と触れ合える本格派カフェ「すあま商會」を取材!=板橋区
2022/04/18 18:30

奥に見える部屋が保護猫シェルター。(提供:すあま商會)
「1杯のコーヒーが猫のためになる」。そんな噂を聞きつけて、東京都板橋区ハッピーロード大山商店街から徒歩数秒のところにある保護猫シェルター併設カフェ&スペース「すあま商會」にお邪魔しました。
多くの保護猫カフェはオープンシェルターの形態で運営されており、入場料を支払い猫たちと触れ合うことができますが、すあま商會は店舗の一部スペースが保護猫シェルターになっているというユニークなお店。店舗での収益は全てシェルターの猫たちのために使われるため、「1杯のコーヒーが猫のためになる」というわけです。

(C)いぬねこプラス
シェルタースペースには5匹の猫が暮らしています。店長の平松温子さんによると、日頃のお世話だけでなく、災害時に一緒に逃げることができる限界を考えて、5匹に制限しているそうです。都内だけでなく沖縄や埼玉県からやってきた猫たちも一緒に暮らしており、里親との出会いを待っています。
お客さんはカフェスペースからガラス越しに猫たちを見るだけでなく、保護猫シェルター内に入場することもできます。ここでは一律の入場料は取っておらず、好きな金額を寄付します。

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このようなカフェ併設型シェルターにしたことで、猫に興味のない人にも保護猫の存在を知ってもらえる機会になっているとのことです。
「猫をメインにしてしまうと猫を好きな人しか来ません。そういった保護猫カフェは多くあるので、同じものを作ろうとは思いませんでした。ここでは、カフェを目的に来店されたお客さんはもちろんそうですし、また、カフェスペースを展示会、撮影、セミナーの場として利用してもらうことで、保護猫の存在を広く知ってもらう場にもなっています。実際に猫とは関係なくカフェスペースのご利用でいらした方が里親になってくれたこともありました。」(平松さん)

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取材当日は作家の宮脇灯子さんのご著書『ハチワレ猫ぽんたと過ごした1114日』出版記念ミニ写真展が開催されており、平日の昼間にも関わらずお客さんで賑わっていました。同写真展は4月21日(木)まで開催されていますので、興味のある方は是非!
これだけでも十分にユニークですが、すあま商會のすごいところはそれだけではありません。平松さんは10年以上にわたって猫ボランティアとして活動されてきた経験から、“ボランティア”のあり方に疑問を抱き、それがお店にも反映されているのです。
「ボランティアでは猫を助ける活動が価値あるものだと伝わりにくいんです。ここでは保護猫シェルターの清掃スタッフもキッチンスタッフもアルバイトとして雇い、賃金を支払っています。」(平松さん)

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また、保護した猫に対して最期まで責任を果たすため、平松さんは自身の年齢も考慮し、10年後にはお店を他の方に引き継ぐ予定だと話してくれました。もしも里親が譲渡された猫の面倒を見られない止むを得ない事情があっても、すあま商會として引き取れるようにするためだそうです。

ムサクァハン・オン・ラファ(提供:すあま商會)
猫への愛と工夫がギュッと詰まったすあま商會。猫好きもそうでない人も、落ち着いた雰囲気のカフェスペースで、おいしいコーヒーと“世界のホッドサンドウィッチ”を楽しみに一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
すあま商會
営業時間
11:00 ~19:00 (定休日:水・木)
臨時休業などの情報はお店のTwitterやInstagramで要チェック。