戦争の犠牲になるペット…英国戦時の殺処分、日本の犬猫毛皮供出献納運動

2022/04/21 20:00

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ポーランド国境に集まったウクライナ難民(GettyImages)

 ロシアによるウクライナ侵攻が続いています。国外に逃れたウクライナ難民は500万人を超えると報じられていますが、ここで問題となっているのがペットの検疫。日本でも、ウクライナ避難民が連れてくるペットの犬の扱いについて、農林水産省省が特例でペット同伴の自宅隔離を認めたことで、「狂犬病が持ち込まれるのでは?」という懸念が高まっています。一方、ペットを置き去りにし国外に脱出した人も多くいると報じられており、戦禍は人間だけでなくペットたちにも及んでいます。

 ペットたちは歴史的にも戦争により多くの犠牲を強いられてきました。その1つが「イギリスにおけるペットの戦時殺処分」です。英紙「The Independent」(3月22日付)が、この英国戦争史から“抹消”された歴史を報じています。

Remembering the Great British Pet Massacre(The Independent)

 1939年、英政府は開戦前からペットの処遇を決める動物委員会を設置。『動物飼育者に対する助言』というパンプレットを発行し、「ペットの世話を他人に頼むことができないのであれば、彼らを殺すことが本当の優しさ」だとして、ペットの安楽死を奨励しました。そしてドイツがイギリスに宣戦布告をすると、最初の4日間だけで、推定40万匹の猫と犬が安楽死させられ、その年には合計75万匹が殺処分されたと推計されています。あまりに多くの飼い主がペットの安楽死を求めたため、ロンドンの動物保護団体はクロロホルムを使い果たしたという逸話まで伝えられているほどです。

 ところが、1940年にドイツがフランスに侵攻するまで英独仏の間で陸上戦争はほとんどなく、「まやかしの戦争」と呼ばれるに至り、飼い主たちは自分たちの早計な判断を悔いたといわれています。歴史家のヒルダ・キーン氏によると、この出来事は動物愛護国家を標榜するイギリス人にとって大きなトラウマになっており、「人々は私たちが子猫を殺しに行ったことを思い出したくないのです」と話しています。

日本軍による犬猫毛皮供出献納運動

 太平洋戦争末期、兵士が身に着ける衣服の毛皮、食料などにするために、犬や猫、馬、他にも羊やウサギなどが供出の対象になりました。町内会の“隣組”の回覧板で周知されたため、住民同士の監視圧力から泣く泣く愛犬を差し出した人々もいると伝えられています。

 戦争は人だけでなく、ペットも人と親しいが故に多くの犠牲を強いられることになります。そんな不幸をロシアのウクライナ侵攻は現在進行形で生み出しています。一刻も早い侵攻停止とウクライナの平和回復を願います。

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文=いぬねこプラス編集部

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