高倉良生都議が描く保護重視の「新しい動物愛護センター」とは?

2022/05/29 11:00

 「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)が改正され、今年6月1日から犬猫へのマイクロチップの装着が義務化される。まだまだ十分ではないが、動物愛護の機運が我が国でも少しずつ高まってきている兆しが見えてきた。

 東京都は条件付きではあるが、犬猫の殺処分ゼロを2018年に達成したとしている。病気、怪我、攻撃性などでやむなく殺処分された犬猫を除外していることから、殺処分ゼロは真実ではないと指摘する声があるものの、一定の成果をあげていることは事実だろう。

 都議会の「動物との共生を進めるプロジェクトチーム」は、犬猫の殺処分ゼロに取り組んでいる。座長の高倉良生都議(公明党)は、10年前から政治家として動物愛護に関わってきた経歴を持ち、「動物愛護センター」の新設を公約に掲げている。

 今後、東京都は行政として一体どんな動物愛護活動を行なっていくのか。高倉議員に聞いた。

高倉良生都議が描く保護重視の「新しい動物愛護センター」とは?の画像1

高倉良生都議(本人提供)

――動物愛護に携わるようになった経緯をお教えください。

(高倉都議) 小学生ぐらいの時に捨て犬を飼ったことがあり、その頃から動物は好きだったんですね。その後、区議会議員の時代に娘が段ボール箱に入れられて捨てられていた2匹の猫を拾ってきました。それが20年ぐらい前なんですけど、2匹とも今も元気です。これが大きなきっかけでした。

――これまでの実績を教えてください。

(高倉都議) 東日本大震災の時に東京に非難して来た方々に都営住宅を提供したのですが、都営住宅は動物は飼えないんですね。そこで、動物愛護センター多摩支所に臨時の保護施設を作り、動物を預かるよう都の方に要請しました。それが印象的な成果の1つですね。

――公約に掲げていらっしゃる「新しい動物愛護センター」について教えてください。

(高倉都議) 小池知事になってから東京都が犬猫の殺処分をゼロにしていこうということになり、殺処分ゼロを達成したと言いますが、実際は殺されていますよね。病気、事故でやむなく殺処分ということですが……。

 保護した動物が怪我や病気をしていても、殺処分するのではなく、最後まで手を尽くし、場合によってはそこで生活してもらう。そういう本来の意味での動物保護施設がまだありません。

 現在、東京都動物愛護相談センターの建物が老朽化しているため、新設する場所を都が探しているところなのですが、新施設は動物の保護機能がついた施設にすべきだと思っています。

 保護するためには医療の充実も重要です。既存の動物愛護相談センターにも獣医師がいて、医療設備もありますが、総合的な獣医療を提供できる施設にできればと思っています。シェルターメディスン*の日本での第一人者である日本獣医生命科学大学の田中亜紀さんが中心となって大学の校舎を保護シェルターに設ける計画を進めていますが、この施設と東京都が連携できるよう取り計らっているところです。

*動物収容施設に関わる伴侶動物の群管理に関わる獣医療

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