犬221匹を不適切飼養で7年前から騒音異臭トラブル 事件化が遅れたワケ

2022/06/16 13:00

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GettyImages

 千葉県八街市で221匹もの犬を不衛生な環境で飼育していたとして、無職の女性(63)が、動物愛護法違反の疑いで書類送検された。保護された犬のうち200匹以上は動物愛護団体が引き取り、一部は女性と女性の長女が引き取った。

 東京新聞のウェブサイト「東京新聞TOKYO Web」の6月14日の配信記事によると、昨年10月、動物愛護団体が「6、7年前から200匹以上の犬を飼育する家があり、悪臭や騒音の苦情がある」と警察に通報したことから事件が発覚したという。しかし、7年前から地域トラブルがあったにもかかわらず、犬たちを救出できなかったのはなぜか?

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 千葉県の健康福祉部衛生指導課に問い合わせたところ、2015年から騒音異臭などのトラブルがあったことは事実であり、行政指導を行ってきたとのこと。ただ15年当時は20匹ほどだったと衛生指導課の担当者は主張。しかし警察との情報共有がその当時からされていたかは確認できないという。

 次に千葉県警に問い合わせると、昨年10月に動物愛護団体から通報があって初めて本件を認知したという。通報当日から警察官と保健所職員で女性宅を訪問、それから再三の勧告・催告を行ったが改善が見られなかったため、今年3月2日に差し押さえたと時系列順に事の経緯を話してくれた。

 警察の動きは迅速だったが、もっと早い段階で動物虐待の可能性に気付けていれば、何年も前に犬たちを救出できていたのではないだろうか。

 これについて千葉県警の担当者は、「現場の警察官が悪臭や騒音のトラブルとして処理してしまうと、虐待の可能性を見落とす恐れがある」と回答。

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 今後、現場の警察官が動物の悪臭や騒音トラブルにおいて虐待の可能性を疑ってくれるようになることを望みたいが、全ての責任を彼らに押し付けるのも酷だろう。

 やはり、2015年の時点で20匹とは言え一般家庭では考えられない数の犬が飼育され、「悪臭や騒音の苦情がある」ことを認知していた行政が、虐待の可能性を考慮して、警察と情報を共有していれば、200匹という恐ろしい数まで膨れ上がる前に犬たちを救出できたのではないだろうか。 

 愛護動物のネグレクト(飼育放棄)は動物虐待にあたり、今回のケースで言えば、「飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養若しくは保管ことにより衰弱させること」ことがそれにあたると考えられる。昨年6月1日に施行された改正動物愛護管理法では、動物虐待の厳罰化がなされたが、事件化しなければ法を改正したところで有名無実と化すだろう。

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文=いぬねこプラス編集部

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