可愛い猫の動画や写真を炎上させないための極意  ペットSNS活用術

2022/06/27 20:30

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Getty Imagesより

 タレントで「猫カフェ mfmf(モフモフ)」の動物取扱責任者である多田あさみさん。そんな多田さんが読者からの猫ちゃんに関する質問にお答えする連載が「にゃんことの暮らしQ&A」です。

 第6回目は「愛猫の写真をSNSに載せているのですが、批判が来たりして炎上するのが怖いです。炎上しないように運営するコツはありますか?」というもの。多田さんによると、ペットの写真や動画をSNSやYouTubeにアップする際は、「ペットの生命を脅かしていないか」「法律を守っているか」「倫理に反していないか」の3つを確認することが必要とのこと。具体的にどのような投稿が危険なのか、詳しく伺いました。

ペットに有毒な食べ物を与える投稿は意外と多い

ーー愛猫や愛犬の写真や動画をSNSにアップすることが一般的になった昨今、ペット用アカウントに対して、飼い方に関する指摘やアドバイスが寄せられることは珍しくありません。

「ペット用アカウントのSNSに、意見や批判が送られてくることは珍しいことではないと思います。私たちも里親さんに対して、「これは危ないですよ」という指摘を送ることは多いです。SNS上では、人間の行為に関する指摘よりも、ペットに関する指摘の方がよりフランクに行われている印象はあります」

――では具体的に、どのような投稿に対してそうしたコメントが寄せられる傾向にあるのでしょうか。

「一時期“バカッター”という言葉が注目されましたが、基本的に、ペット用アカウントも通常のアカウントも、炎上させないために注意すべき点は一緒です。

まず、ペットの生命を脅かすような投稿。もっとも重要視されているはずなのに、一番多いのが、こうした投稿なんです。特に、あげてはいけない食べ物を与えている投稿は散見されます。たとえば、バレンタインの時期になると、猫や犬にとって有害なチョコレートをワンちゃん猫ちゃんにあげてみたという投稿が増えたり……。数年前には、あるテレビ番組でチョコレートアイスを美味しそうに食べる猫の動画を紹介し、炎上したこともありました。

また猫ちゃんの場合は、ユリの花も有毒です。葉っぱや花をかじってしまったり、花粉を舐めてしまうだけでも命にかかわります。猫ちゃんを飼っているのにユリの花が家の中に置いてある投稿を見たときは、私も思わず注意コメントをしたことがあります。その他、アジサイも毒性が強いですし、アロマも猫にとっては健康被害が出る可能性があります。

猫ちゃんの動画を撮られる方は家の中が映るので、インテリアにこだわる方も多いと思いますが、花やアロマは部屋の見栄えは良くなる一方で、猫ちゃんに対しては危険なものもあるので、炎上の発端になることも多いです」

――法律違反をしている、倫理に反している投稿とはどういったものなのでしょうか。

「法律違反としては、ワンちゃんをノーリードでお散歩させているなどです。

倫理に反している投稿は、たとえば、ピンクマウスを買ってきて猫ちゃんに与えてみたと発信することや、自分のペットがトカゲや鳥といった野外生物を殺してきたという投稿です。野生動物を放し飼いにしている猫が捕食し、家にお土産で持ってきてくれたなどの投稿も気軽にする人が多いですが、生物の生死にかかわることは、気軽に投稿しない方がいいと私は思います」

猫の外飼いは地域によって倫理観が異なる

――上記の3点は、ペットの命を守るためにも、そしてSNSでの炎上を引き起こさないためにも注意すべき基本的なことですが、住んでいる地域やユーザーの思想によって、快く思われない投稿の内容もあるようです。

「猫ちゃんにリードを付けてお散歩をしていたり、田舎の方だと猫ちゃんを野外飼育しているというお家も珍しくありません。うちのカフェの里親募集に応募してくださった方の中にも、以前は地方に住んでいたという方で『お家で猫ちゃんを妊娠・出産させ20匹も飼っていましたが、みんなどっかに行ってしまうので看取った子はいません』とおっしゃる人もいました。

ただ、首都圏に住んでいる人からしたら、外飼いの猫ちゃんを見ることはかなり少なくなりましたし、ペットショップ出身のような容姿をしている猫ちゃんが外を歩いていたら、「迷子なのでは?」「車に轢かれたらどうしよう」など、心配になってしまいますよね。

猫ちゃんは完全室内飼いが推奨される時代になりましたが、この辺りのリテラシーは地域によってまだまだ差があるので、外飼いは完全にNGと言い切ることはできません。ただ、どの地域に住んでいる方も、情報をアップデートしていって欲しいとは思います。

また、自治体のガイドラインにはペットに対する避妊去勢が記されているので、妊娠・出産も場合によっては炎上しやすい投稿です。

特に、ペットショップで買ったりした純血種の子はブリーディングするための個体ではないので、繁殖に向いていない子が多い。たとえば、スコティッシュフォールドで遺伝性疾患がある子の場合、何も考えずに折れ耳と折れ耳で交配させると、障害を持った子が生まれてしまいます。可愛い赤ちゃん猫として一時的にフォロワーは増えるかもしれませんが、妊娠・出産させることは、反対意見も生まれやすい行為です。

あとは、ワンちゃんや猫ちゃんが嫌がっているのに、写真映えのために服を着せて行動を制限する、必要のないサマーカットをして模様をつける行為なども、見る人によっては意見したくなる投稿ですね」

――愛猫の写真ではなく、野良猫ちゃんを撮影しアップする行為も、見る側の倫理観によって意見が分かれるといいます。

「猫を撮影する写真家さんが、旅行に行った先で撮った野良猫をSNSにアップしていても、嫌悪感を覚える人は少ないと思います。一方で、猫をお家で飼っている人が野良猫を思いっきり触る動画を上げていたら、そのお家の猫ちゃんに感染症などがうつることを心配するユーザーも出てくるのではないでしょうか。

また、自分の飼っている猫ちゃんの写真と野良猫の写真を両方載せている方で、餌付けをしている野良猫に関しては怪我をしていても『野良猫だから強く生きろよ』と綴るなど、餌だけあげて、避妊去勢や怪我にまったく救いの手を差し伸べてない場合、保護に関心がある人間からするといい印象ではありませんよね。

保護活動をしている方が、『今回は何匹去勢をしました』など活動の報告として写真を載せることはまったく問題ありませんが、野良猫は場所を特定されると虐待に遭うリスクもあるので、可愛いからと写真を載せるのではなく、その野良猫を載せる意味を考えた方がいいと思います」

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