移動型トリミングサロンをフランチャイズ展開　THE DOG COMPANY代表インタビュー

2022/07/29 09:00

THE DOG COMPANYの鈴見純孝代表取締役（C）いぬねこプラス

　魚眼レンズで撮影されたワンちゃんたちのユニークな表情の写真を用いたカレンダーやグッズでお馴染みの「THE DOG」。そんなワンちゃんの写真がデザインされた車があなたの街に訪れるかもしれません。トリミング設備が完備された移動型トリミングサロン「THE DOG SALON Trimming Wagon」です。

　2020年に20周年の節目を迎えた「THE DOG」はいま、ブランドの変革期。21年５月には「THE DOG」商品の売上など事業に関わる収益の一部を動物愛護団体へ寄付する「SAVE THE DOG PROJECT」を立ち上げるなど、ワンちゃんや猫ちゃんを支える支援活動にも着手しています。

　フランチャイズによる移動型トリミングサロンをはじめ、今後どんな事業展開を描くのか、THE DOG COMPANYの鈴見純孝代表取締役にお伺いしました。

首都圏でも供給が追い付いていないトリミングサロン

――新たな事業として、移動型トリミングサロンをフランチャイズ展開するに至った理由を教えてください

鈴見代表（以下鈴見）　「THE DOG」のビジネスを広げることと、若い人達にチャンスを与えられるようなことができればいいなという想いから始まりました。

　ペット業界は、ペットフード、トリミングサロン、ホテル、ペットシッターなど幅広く、ここに参入していきたいと考え業界を見た時、トリミングサロンのシェアはかなり大きく、成熟しているようでしていないと思いました。若い方が夢を持ってトリマーの資格を取って、将来的に独立したいと思ってもその壁はなかなか高いと感じたのです。

　例えば、トリミングサロンの店舗を構えるとなると投資金額も大きいし、移動型のトリミングサロンという手法も20年ほど前から個人でやられている方はいますが、宣伝や集客に困っているという話を聞きました。

　「THE DOG」で展開するカレンダーを始めとしたグッズに登場するキャラクターは、魚眼レンズで撮影された犬たち。そのユニークな表情には知名度があると自負しており、その知名度を使ってフランチャイズ展開ができればトリミングサロンを利用するユーザーにも喜ばれるサービスになるのではと思ったのです。トリミングサロンの数だけを考えても、数は少なく、首都圏でも需要に供給が追い付いていないという認識です。

　実際に先日、千葉県の海浜幕張で「THE DOG SALON Trimming Wagon」を停車させて撮影をしていたら、近所の方々から「いつから走るんですか？」「このあたりも走るんですか？さっきサロンの予約が取れないって話をしていたのよね」などのお声を頂戴しました。

“便利さ”が１つの重要なキーワード

THE DOG COMPANYより

――なぜ「トリミングワゴン」という移動型トリミングサロンに注目されたのでしょうか

鈴見　“便利さ”が1つの重要なキーワードです。移動型なので、店舗までのペットを伴う移動に不便を感じている飼い主さんの負担とペットのストレスを軽減することができます。ペットの寿命は延びているので、高齢のワンちゃんも多いです。特に高齢のワンちゃんにとっての移動はストレスになりますしね。出店例としては、タワーマンションの前などに停車しての出店も考えています。

――今後の展開、目標等について教えてください

鈴見　まずは東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県で展開します。加盟店は、９月ぐらいから３店舗ぐらいずつ増やしていき、3年以内に100店舗を目指しています。

「犬猫のお仕事をさせてもらうのだから、犬猫のためになることも」

――THE DOG COMPANY全体としての展開はどうなっていますか

鈴見　トリミングサロンのフランチャイズ事業に参入したばかりですが、「THE DOG」というブランドは2020年に20年という節目を迎えました。私は、良くも悪くも20年と考えていて、なかには古いデザインと思われる方もいるので、デザインのリブランディングを進めています。

　すでに、ブランド20周年の一環事業として動物愛護活動を推進するために立ち上げた「SAVE THE DOG PROJECT」は、全ての「THE DOG」商品の売上の一部を犬猫の保護活動を行う団体に寄付するプロジェクトで、2021年5月にはNPO法人「DOG EAR FUNDS」を設立しました。犬猫のお仕事をさせてもらうのだから、犬猫のためになることもやろうよという考えからです。もちろん、「THE DOG SALON Trimming Wagon」の売上の一部も同様に寄付されます。