保護猫施設往診獣医師に聞く、保護猫ボランティアの種類や方法

2022/08/12 09:00

GettyImagesより

 「前々から保護猫活動に興味があって関わってみたい、、、でもどうしたらいいんだろう」嬉しいことにこのようなご相談いただくことがしばしばあります。保護猫活動と一口に言ってもその活動内容や実際のお手伝いは様々です。保護猫活動は個人やNPO法人を問わず、寄付や基金を元手に活動していることが多く、医療費や施設、活動の維持に費用がかかるため人手はほとんどがボランティアで成り立っています。つまり、保護猫活動とボランティアさんは切っても切れない関係なのです。

 保護猫施設、団体さんによってボランティア内容が多少違うこともありますが、大きく預かりボランティアと施設ボランティアに分かれます。かく言う私も獣医学生時代に保護猫活動でいわゆる預かりボランティアをしており、一番取り組みやすいボランティアだと思います。今回は私の経験を踏まえてボランティア活動についてご紹介します。実際に保護猫に関わってみたいという方のためにも参考になれば幸いです。

預かりボランティア

 あまり人に慣れていない猫や子猫などを一時的におうちで預かるボランティアです。自分も獣医学生時代にこのボランティアをしており、何頭もの子猫を預かり人との生活に馴れさせて譲渡会に送り出しました。そんな中でとても相性がよく慣れてくれた子がいて、ついついそのまま飼ってしまい、それから9年経った今でも一緒に暮らしています。(笑)

 またこの経験は獣医師の卵としてもいい経験になりました。意外に思われるかもしれませんが、獣医学生の間に学校の授業で実際に犬猫に触れ合うはあまり多くはありません。まして私はそれまで犬しか飼ったことがなく猫という存在自体が未知のものだったので猫という動物を知るには絶好の機会でした。そしてまんまと?そのまま猫にハマり、今ではすっかり猫の虜となってしまいました。この活動は猫を終生飼育するのではなく、あくまで一時的な預かりなので猫に興味があるがいきなり飼うのはハードルが高いという人にもちょうどいいかもしれません。

 また、ミルクボランティアと言われるまだ離乳していない子猫の授乳ボランティアもあります。生まれて間もない子猫は2〜3時間に一回授乳をしなければいけないだけでなく、保温管理、排泄の補助などの必要なお世話がたくさんあります。しかし、これには経験や知識などがないとなかなか簡単にはできるものではないのでまずは通常の預かりボランティアから始めてみてもいいかもしれませんね。

施設ボランティア

 預かりボランティアと対極なのが施設ボランティアです。こちらでは保護猫施設での掃除、洗濯や猫のお世話をするだけでなく、あまり人に慣れていない猫にふれあい少しずつ人間との生活に順応させるなど活動内容は多岐にわたります。また健康状態を把握し、必要に応じて動物病院を受診するなど多くの猫と直接的に関わることが多い重要な役目です。

 これ以外にもイベントボランティアとして譲渡会の設営やスタッフとしてのお手伝い、広報ボランティアとしてSNSで譲渡会や施設の様子を発信、はたまた送迎ボランティアとして動物病院への通院、譲渡会や譲渡先のおうちへの移動をお手伝いするなど様々なボランティアがあります。

 “保護猫活動に興味はあるけど自分はどういった関わり方ができるのだろう”と悩まれている方はまずはその地域で保護猫活動をしている施設、団体さんに相談をしてみましょう。きっとあなたのその一歩が多くの猫たちの助けになります。

文=長谷川諒

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