映画『ハウ』俳優犬・ベックが演技派すぎる! 感動名場面の裏話を紹介

2022/08/27 15:00

©2022「ハウ」製作委員会

 現在絶賛公開中の映画『ハウ』は、田中圭演じるちょっぴり気弱な青年・赤西民夫と、俳優犬・ベック演じるワン!と鳴けない保護犬・ハウの絆を描いた感動作。SNS上では、本作の要となるベックの活躍を称賛する声が続々と上がっています。

 そこで今回は、感動の名場面に欠かせないベックの名演技シーンや撮影時の裏話について、ベックのトレーナーである宮忠臣氏の声を交えご紹介します。

池田エライザのあふれる動物愛

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宮忠臣氏がホッと胸をなでおろす?

©2022「ハウ」製作委員会

 名演技が話題となっているベックですが、なんと今回が初演技。そんなベックの演技指導を行った宮忠臣氏は、『南極物語』『ハチ公物語』『クイール』『犬と私の10の約束』など数々の犬映画を手掛けています。

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 レジェンドドッグトレーナーとして有名な宮氏が、「これが終わったら撮影は終わったようなもの」とさえ思っていたというほど難易度の高かったシーンは、ハウがある男性を口にくわえて引っ張るシーンで、無事に取り終えられて本当にホッと胸をなでおろしたそうです。

 お利巧なワンちゃんであればあるほど、人をくわえるという動きに慣れてないのは当然のこと。ベックも同様で、さらに人を引っ張るという動作が加わるこのシーンのために、ものをくわえて引っ張るという動きを新たに習得したのだとか。宮氏曰く、「最初は遊ぶ感覚で“くわえて引っ張る”という動きをベックに教え込んだ」と話しており、その成果もあってベックは、そのシーンを見事に乗り越えたそうです。

 ちなみに、実際には人間ひとりをくわえて引っ張るほどの力はないためワイヤーでフォローしているそうですが、まるでベックが男性1人を本当にくわえて引っ張っているような仕上がりになっています。

撮影現場で広がった、あふれるベックへの愛情

©2022「ハウ」製作委員会

 本作の主役は、あくまでハウ。青森に行ってしまったハウが離れ離れとなった民夫のいる横浜を目指す旅路が中心となって話が展開するので、ベックの出演シーンが他キャストの誰よりも多いのです。そのため、ベックの負担を極力減らすべく、ある秘策が用いられました。ハウの代役に“パネル”を採用していたのです。撮影制作スタッフは、ベックのいろんな角度の等身大パネルを事前に用意。リハーサルで活躍したのは、ベックではなく等身大の“ハウパネル”だったそうです。

 また、ワンちゃんがいることでその場が和むといったことは撮影現場でも同じのようで、ベックが共演者に与えた影響も大きかったようです。8月1日に都内で行われた完成披露上映会舞台あいさつで民夫を演じる田中圭は、「自由奔放なベックに癒されながらの撮影でした」などと語り、民夫を気遣う同僚・桃子を演じている池田エライザは、「まっすぐ見つめてくれた時に心がぎゅってなる感じが、ハウの、ベックの魅力なんじゃないかな」とベックの魅力についてコメントしています。

 共演者や撮影スタッフの心を鷲づかみにしたベック。そしてそんなベックへの愛に溢れた撮影現場で生み出されたベックの名演技の数々には、たくさんの人々の愛情が詰まっているのでしょうね。劇場で、ベックの名演技に引き込まれるとともに撮影現場から引き継がれた愛情の輪に加わってみてはいかがでしょうか。

●映画情報

©2022「ハウ」製作委員会

原作:『ハウ』斉藤ひろし(朝日文庫)
出演:田中圭 池田エライザ、野間口徹、渡辺真起子、モトーラ世理奈、深川麻衣、長澤樹、田中要次、利重剛、伊勢志摩、市川実和子、田畑智子、石田ゆり子(ナレーション)、石橋蓮司、宮信子
監督:童一心
脚本:斉藤ひろし 犬童一心
音楽:上野耕路
主題歌:GReeeeN「味方」(ユニバーサル ミュージック)
企画・プロデュース:小池賢太郎
プロデューサー:丸山文成 柳迫成彦
企画・製作プロダクション:ジョーカーフィルムズ
製作幹事:ハピネットファントム・スタジオ 東映
配給:東映
映画クレジット:(C)2022「ハウ」製作委員会

文=いぬねこプラス編集部

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