犬・猫の健康診断は何歳から?頻度は?動物病院との上手な付き合い方【獣医師監修】

2022/10/02 15:00

GettyImagesより

 みなさんの愛犬、愛猫はきちんと定期的に健康診断を受けていますか?健康なうちにはなかなか病院から足が遠のくもので、ワクチンやフィラリアなどの予防でしか行くことがないという方も多いのではないでしょうか。

 「まだまだ若くて元気だから」と健康診断を躊躇される飼い主さんのお話しをよく耳にしますが健康そうに見えても思わぬ病気が隠れていることもあります。定期的な健康診断は病気の予防や早期発見・早期治療のために欠かせないものなのです。今回は定期的な健康診断とかかりつけ病院の大切さについてお話ししようと思います。

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健康診断ってなにをするの?

 健康診断とは文字の通り、総合的に健康状態を診断することです。健康状態を調べるために様々な検査を行いますが、その検査内容は動物病院によって様々です。検査の組み合わせは年齢や生活環境、健康状態、犬種猫種などを踏まえて獣医師と相談して決めていきますが、身体検査、血液検査、レントゲン検査、尿検査、糞便検査などが一般的で、健診パックというような一通りの検査がセットになっているような病院もあります。

 また、病気がちになるいわゆるシニア期では追加検査として超音波検査まで行うとより安心ですね。検査内容についてわからないことがあれば一度かかりつけの獣医師に相談してみましょう。健康診断をすることで症状が何もない場合でも異常を早期に発見できることもある一方で、異常が見つかりにくい病気もあるので決して健康診断で全ての病気がわかるわけではありません。ここで大切なのが、一回の検査で終わらずに定期的に健康診断を受けるようにすることなのです。

健康診断は何歳から?

 「うちの子もそろそろ10歳を超えてきたからそろそろ健康診断でもした方がいいでしょうか?」こういったお話しをよくいただきます。
何歳から健康診断をしなければいけないということはなく、できるのであれば全年齢からすべきですがシニア期になってくると特に注意が必要です。ではどれぐらいの頻度で定期的に健康診断を受ければ良いのでしょうか。ワンちゃん、猫ちゃんは私たち人間の約4倍のスピードで年を取ると言われており、飼い主さんの1年間は愛犬、愛猫の4年間にも相当するのです。一般的には若いうちは年に1回が目安ですが、高齢になるにつれて病気のリスクは増えていくのでシニア期やすでに持病のある場合は3カ月〜半年に1回以上の頻度が推奨されています。適切な頻度はその子の健康状態によって変わるので、詳しくはかかりつけの獣医師に相談してみましょう。

かかりつけの大切さ

 愛犬、愛猫の健康を保つ上でかかりつけの動物病院があることはとても大切です。その子の性格や生活スタイルをよくわかっているだけではなく、過去からの健康診断のデータがあるということに大きな意味があります。健康な状態での検査結果を記録しておくと、体調を崩したときにも急に起こったものなのか、昔から予兆があったものなのかが分かりやすく診断の手がかりになることがあります。例えばいつもの体重や体温と比べて今の状態が異常なのかどうかや、血液検査結果が健康な時と比べて高いのか低いのかなどその子の“いつも”を知らないと判断できないことが多くあります。

 今まであまり意識して健康診断を受けてこなかったという飼い主さんもこれを機に元気なときからかかりつけの動物病院で定期的に健康診断を受けるようにしてあげましょう。

文=長谷川諒

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