保護猫シェルター併設カフェ・すあま商會の誕生秘話(取材前編)

2022/11/10 15:00

カフェと猫のスペースは完全に分離

猫たちのいるスペース(提供:すあま商會)

ーーすあま商會の店内は、カフェスペースと猫たちのいるスペースが完全に隔離されています。猫と戯れるお客さんもいれば、コーヒーを飲みながらそれを眺める人、日替わりのサンドイッチに舌鼓を打ちながらPCで作業する人……。お客さんの様子もさまざまです。

「保護猫カフェだとどうしても猫がいる空間で過ごすことになりますよね。いわゆる「保護猫カフェ」というのは区分としては飲食店ではないんです。コーヒーなどを淹れたら調理とみなされるので、せいぜいペットボトルやドリンクサーバーでしか提供できません。でもうちは完全に分離してあって、保健所からも営業許可を取っている普通の喫茶店なんです。ですからコーヒーだけ気軽に飲みに来てくださるお客様も結構いらっしゃいます。

猫たちのいるスペースも入場料みたいなものはないので、猫と触れ合った方にはお気持ちでご寄付していただいていますが、猫部屋に入らなくてもコーヒーを1、2杯飲んで寄付箱に寄付を入れて帰られるお客様も結構いらっしゃいます。中には猫が大好きだけれど猫アレルギーで、でもここなら猫を見ながらコーヒーを飲んだり仕事をしたりできる、と仰るお客様も。ですから猫を嫌いな人でもぜひ来て頂きたいと思っています。『猫嫌いなはずなのに、ここでコーヒー飲んだら猫のためになっちゃった』というようになればいいですね」

ユニークな店名に込められた思いとは?

(提供:すあま商會)

ーーこのように猫が好きな人もそうでない人も、淹れたてのコーヒーや美味しいサンドイッチやスイーツが楽しめるすあま商會ですが、店名を聞いたとき、そのユニークな店名に思わず微笑んでしまう人も多いはずです。お店の看板メニューのひとつである『すあま』を冠した店名からは、保護猫の存在は連想できません。一度聴いたら忘れられない可愛い店名にも、こんな秘密がありました。

「『ねこ〇〇』とか『キャット●●』など“猫”を店名に入れず『すあま商會』という名前にしたのは、“猫”を店名に入れちゃうと、“猫の人”しか来なくなるんじゃないかと思って。ですが、猫に興味がなかった人にも来てもらうことが出来たら、里親の間口が広がるじゃないですか。たまたま入った喫茶店に猫がいて、通ううちに猫好きになった。友達とも来るようになった。そして里親となった。『すあま商會という保護猫シェルター出身の猫の里親になった』とSNSで広める……そういう流れになってほしくて“猫”を店名に入れていないんです。

『商會』というのはここでいろいろな人が出会って、仕事のチャンスとか関わりが増えて行けばいいなと思って。実際、ここで知り合った人同士が友達になったり仕事でつながったりと交流してくれているので、『商會』とした当初の願い通りにはなっているかなと思っています」

すあま商會

営業時間

11:00 ~19:00 (定休日:水・木)

臨時休業などの情報はお店のTwitterやInstagramで要チェック。

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文・取材=春錵かつら

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