保護猫の里親に求めること「年齢だけでふるいにかけない」(すあま商會取材後編)

2022/11/16 20:00

すあま商會より

 板橋区・大山にある保護猫シェルターを併設したカフェ『すあま商會』。第1回となる前編では、お店を作った経緯や込められた思いをご紹介させていただきました。第2回となる今回は、実際の保護活動についてお話を伺います。

猫の保護活動は大きく2つに分けられる

「“保護活動”って一体どこまでを“保護活動”と呼ぶのかは難しいですけれど、保護活動は大きく分けて、捕獲した子を避妊去勢してまた元の場所に戻すTNRと、里親を見つけて家猫にするという二通りがあります。TNRの場合は、餌やりさんがいる場所でないと戻せません。病気になったら病院に連れて行ってあげなきゃいけないですし『ごはんあげてますか』『困ったことはないですか』と声をかけて、餌やりさんと連携しながら活動することも多いですね。責任感のある餌やりさんだと安心できます。

また、家猫にした場合、私は関わった子の生涯を見届けたいと思っています。もちろん里親さんの性格もありますが、少なくとも里親さんとは親戚になったつもりで譲渡しています。これまでにも譲渡した子が病気などで亡くなったケースは何件かありますが、お葬式に呼ばれて行ったりもしています。里親さんの下で大きな病気になったとか、実気だったとか、そういった時には手術費を半分出すなど、経済的なサポートもしてきました。そういった「里親を見つけて譲渡したら終わり」じゃない関わり方をしたいと思っています。それが親の責任かなと。いつも自分の娘を嫁に出したオヤジの気持ちでいますから(笑)

もちろん里親さんによってはつかず離れずがいいとか、人によって距離感に温度差がありますから必要以上にベッタリしたいとは思っていませんが、それでも困ったことがあったらすぐに手を差し伸べてあげたい」

里親となる人の年齢や家族構成は重要?

 保護猫たちの里親になろうとする中で、こういったサポートしてくれる存在がいることほど心強いことはありません。ですが保護猫を迎えようとしたとき、多くの保護団体で一番最初の課題となるのが里親となる人の「年齢」と「家族構成」です。すあま商會では年齢と家族構成よりも重視しているものがあると言います。

すあま商會より

「当たり前のことと思われるかもしれませんが、まず1回は会いに来てほしいですね。中には『駅で引き渡しができますか?』と言う方もいます。当然そういう方はお断りしますが、実際に会って私と話してもらってどんな方かを知りたいです。なんならカフェのお客として来ていただけると、猫と会ってもらったり、普段の様子なども垣間見ることができるので嬉しいですね。

私は里親さんの年齢とかは、あんまり関係ないと思っています。若い人でもダメな人はダメだし、年配の方でもちゃんとした方でお子さんなど後見人がいる方はいますし。こだわりを言うなら、掃除ができる人じゃないと譲渡しません。保護団体によって他にも色々な決まりがあると思いますが、私はそういったものでふるいにはかけず、それよりも直接会ってバックグラウンドや事情を聞いてお宅訪問をし、その猫を迎えるために何が必要かを一緒に考えて、トライアルしてうまく行けば正式譲渡という形にしています」

猫の20年後を考えて行う保護活動

 すあま商會では正式譲渡となるまでシェルターにいる猫たちは全て「ウチの子」として扱い、責任はすべてすあま商會にあると言います。預かり中の猫たちの通院などはすあま商會が行い、預かりやトライアル中のペットフードやトイレなどはすべてすあま商會が提供しています。預かりさんの労力などを考えると、無償というわけにはいかないと思っているからです。

すあま商會より

「猫たちを譲渡するとき、こっちは里親の年齢を気にするじゃないですか。猫はおよそ20年生きますから、里親さんが60歳以上だとこの子が病気しがちな20歳近辺になる時にあなたは80歳ですが面倒が見れますかという話になりますよね。それと同じで、私が保護した猫たちの親だと自負する以上は、自分にも同じことが言えるわけです。今私は40代だから今保護した子猫が20歳まで生きた場合、私は60代。常に20年後のこの子たちのことを考えながらやっているので、私が今のような保護活動をできるのは長くてもあと10年かなと思ってます。

私が出来ると思ったのがカフェだけだったのでこのお店を始めましたが、別に喫茶店に固執はしてなくて、色々なお客さんが猫を見に来れるという形態であればジュエリーショップでも洋服屋でも美容院でもバーでもいいんです。あと10年のうちになんらかの形で『すあま商會』を継いでくれる人を探さなきゃならないというのが一番の課題です」

すあま商會より

 すあま商會には聞いてみないと分からない秘密がたくさんありました。木の募金箱もそのひとつ。色々な人からと透明にした方がという意見がありましたが、もし中身が見えたときに、寄付の金額の違いによって自分たちの態度が変わるかもしれないことが嫌なので、中身の見えない木の箱にしたそう。何気ないさまざまなことに、多くのこだわりと配慮が散りばめられていることを知りました。

 次回からはまだまだ語り尽くせないすあま商會の活動やその魅力を、すあま商會にまつわる猫たちのエピソードを通して紹介していきますので、乞うご期待です!

すあま商會より

すあま商會

営業時間

11:00 ~19:00 (水・木 12:00~17:00)

臨時休業などの情報はお店のTwitterやInstagramで要チェック。

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文・取材=春錵かつら

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