年末年始に気をつけたい猫のストレス 病気のきっかけにも?【獣医師監修】

2022/12/28 19:00

pixabayより

 普段はお仕事や家事などで忙しい飼い主さんも年末年始はおうちでゆっくりと在宅時間も増える、その一方で新年のご挨拶などで来客も多い年末年始。いつも日中はひとりでゆっくり寝ている猫ちゃんにとって、そういったいつもと違う慣れない環境がストレスになってしまうこともあります。そこで今回は年末年始にこそ気をつけたいストレスがきっかけとなる病気をご紹介します。

年末年始はストレスに注意!

 日々の生活の中で日中は飼い主さんがおらず、おうちでひとり気ままにゆっくりと寝て過ごしている猫ちゃんは多いかと思います。しかし年末年始ともなると飼い主さんやご家族も少しゆっくりと時間をとっておうちにいる時間も長くなりますよね。

 さらに年明けには新年のご挨拶での来客も増え、見慣れない人の来客に警戒する猫ちゃんも少なくないでしょう。

こういった状況を猫視点で考えてみると、
・いつもは自由気ままにゴロゴロしているのにリラックスできない
・人の動きが気になってうまく寝付けない
・よく知らない人がうちに来ていて怖い
と慣れ親しんだおうちのはずなのにストレスを感じてしまいます。

 ストレスは多くの病気のきっかけになるとも言われますが、特にこの時期は特発性膀胱炎に注意が必要です。

特発性膀胱炎とは?

 膀胱炎はその原因により大きく3つに分けられます。
・膀胱結石
・細菌感染
・特発性

 前者2つは字の通りに結石や細菌感染による刺激から膀胱に炎症が起きますが、特発性に関してはその原因がはっきりしないにも関わらず猫の膀胱炎の70%近くを占めると言われています。

 一般的に特発性膀胱炎とはストレスがきっかけとなり発症すると考えられており、結石や細菌感染がないのに頻尿や血尿になってしまいます。年末年始は普段にはないストレスがかかることに加えて、冬場で水が冷たいのであまり水を飲んでくれません。そうなると濃いおしっこが長時間溜まった状態になるのでさらに特発性膀胱炎のリスクが高まります。

年末年始のストレス対策

 ではそんな特発性膀胱炎を防ぐためにはどうするのが良いのでしょうか。特発性膀胱炎の一番の治療はストレスを和らげてあげることと言われています。まずやるべきはなるべくいつもと同じくひとりでゆっくり過ごすことができる環境を確保してあげましょう。

 NGなこととしては、せっかくの来客だからと無理やり引っ張り出して慣れていない人に会わせることです。猫ちゃんに過剰なストレスを与えるだけでなく、怒って攻撃してしまったり勢い余って脱走してしまったりすることにも繋がりかねないので絶対にやめましょう。

 また、普段あまり構えていない分、年末年始ぐらいよく構ってあげようと過剰に接しすぎると猫ちゃんの性格によってはストレスに感じてしまうかもしれません。

 猫の様子をよく見ながら適切な距離を保ち、いつもの空間を維持してあげることが一番の予防ですね。

文=長谷川諒

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